船上遊戯 4
「おい・・・種明かせよ。」
ピーターの背中を見送って、コナンが平次に視線を投げる。
あの状況で、あの役が出た事を、素直に感心出来るのなら、探偵などしてはいない。
「アホ、種なんかあるかい、すべてはこの俺のツキや、ツキ。」
そう言って、平次は何事も無かったかの様にコナンから目をそらしたが、そんな彼に、
「お兄ちゃん、早く僕らのトランプ返してよー、足りないと遊べないんだから。」
と、先程、隣りで遊んでいた子供達が話しかけて来た。
「お、おお、すまんな・・・。」
額に汗を浮かべながら、平次はテーブルに放置されたままのカードから、
子供達に五枚のカードを差し出した。
それは言わずと知れた絵柄と数字を表示している。
「服部・・・。」
カードを確認して、遊びを再開しようと床に座り込む子供達を横目に、
コナンが平次に呆れた言葉を投げかける。
「いや〜、丁度あいつらが七並べしとってな・・・。」
種を明かせばこうだ、
このテーブルでカードゲームに使われるトランプはすべて同じ物、
その上で、平次はそのトランプで七並べを繰り広げる子供達から、
スペードの列で連番となったカード五枚を素早く借り出し、
勝負の際、差し替えたという訳である。
種どころか、れっきとしたイカサマである。
しかしその手口の鮮やかさは何たる事だろう、まったく気がつかなかった。
探偵どころか、どこぞの怪盗の様な技術である。
「・・・同じ役だったらどうする気だったんだよ。」
「そこまでの大胆さはあいつらには無いわ。」
探偵故の自信か、そこまでの大胆な役を平然と提示してみせた少年は、
そう言って不敵に笑った。
「ま、黙っといてやるけど、お前がイカサマっていうのも意外だよな。」
イカサマが似合わないと言うのは、一応の誉め言葉である。
そう言い残して、おかしそうに笑うと、
コナンは勝負の結果を伝えるべく、壁際の蘭と和葉の元へと走った。
その姿を見送って一言、
「アホ・・・何が賭かっとる思てんねん。」
誰にも聞こえぬつぶやきを漏らし、
平次は壁際の和葉に視線を送った。
平次の思惑など、まるで知る事の無い和葉が、
その機嫌を直し、口を聞いてくれる様になるまでには、
これからかなりの時間を要する事になるのだが、
幸いな事に、船旅はまだ、始まったばかりである。
終わり
突如として船内のカジノから始まったこの作品、
一体・・・って感じかとは思いますが、
日記を読んで下さる方にはおわかり頂けた事かと思います。
そう、これはコナンのGBソフト「呪われた航路」の発売前の情報の数々に、
踊らされまくったあたしの、またも図々しい、平和エピソード予想話!!
だってさ、サンデーの発売前の紹介記事で、
コナンのパートーナーを平次にした際のゲストキャラは、
気障でプレイボーイな謎の外人ピーター!!
もうそれだけでも男女カップリング好きが妄想する事なんて一つだろ? って感じですが、
最初はそれは、ジャンプの嘘予告に踊らされるかの様な都合の良い妄想だと思っていて、
大違いな時は逆に笑えると思っていたものですが、
その妄想を裏付けるかのる様に、和葉を巡ってカジノで対決とか、新情報が・・・。
バンプレストにも男女カップリング好きがいるのかなって感じですが、
微妙に違うとなると、それはそれで、失笑もんだよな・・・。
でも良いや、かましちまえ!! って事で、お送りした妄想でございますが、
気障でプレイボーイな謎の外人ピーター・・・
めちゃくそ書くのが恥ずかしかったです。
初めはジョディばりの、もっとベタベタなしゃべりをかますはずだったのですが、
「オーウ、ベリベリビューティフルガールネ〜。」
などという台詞に、続行不可能な程の疲労を感じて止めました。
取って付けた様なカタカナ語尾の適当さが、また涙誘いますな。
気障な台詞とかも同様の疲労を感じてしまうので抑えたんだけど、
「ボウヤ」程度でも、自分の中の何かがざわめくの・・・。
キッスを賭けての対決、
70年代少女マンガウェイを歩む、ときめきキャンディラヴ作家なら、
一度はやりたいシチュエーションでございますが、
こんなにも恥ずかしいものだったとは・・・!!
何かね〜、じれじれしか書けない、そんなあたしには、
そんな申し出を外人さんに言わせるだけでも赤面ものでございました。キャー。
もうこうなったら、次は海で溺れて人工呼吸をやるしかねぇって感じですな。
そんなの受け入れちゃう平次もどうかって感じだが、
あくまで自分の怒りのポイントが別の場所である事を強調しつつ、
自分はいらないと強調しつつ、しっかりと保険をかける慎重さ。
イカサマ平次・・・真っ向勝負キャラだと思ってはいるのですが、
今回ばかりは勘弁して下さい。
それにしたって、三人称を書く様になってから、
男キャラの態度の、更なるわかりやすさには頭を押さえる日々ですが、
まぁ、相変わらず女キャラにはわかってないって事で・・・。
コナンには気持ちがバレてる部分もあり、そこが微妙に悩む所ですが、
バレてないって部分もあるって事で・・・。
それでも態度はクールを目指したつもりなんだけど、あれでも思ったよりは熱いです・・・。
でも前情報で見た、勝負の際の平次の顔、そんなん通り越して、えれぇ熱かったです。
それを不思議に思ってしまう、平和ファン失格なあたし。
所で・・・あたしポーカーのルール知りません!!(うわ。)
ディーラーがどういう方式で札を配るのか、親として参加するのか、
キッスを賭けても良いものか・・・(それは自由。)。
何かすげぇ誤魔化しつつ、適当に・・・って感じですな。
ディーラーが参加するものなら、一応参加してたけど、
平次の役に、自分のを披露する意味が無くなったっつー事で(いい加減すぎ。)。
いくら何でもフラッシュ二連発とか、ベタベタだなぁと、
最初はフォーカードとかフルハウスとかビバリーヒルズ高校生白書とか、
アリーマイラブとかドクタークインとかにしようと思ったんだけど(ボケ長すぎ。)、
まぁ、長引いたり、それ以上の手札を出されたら・・・って事で、あんな感じに。
良いんだよ、もう何から何までベタベタで・・・。
あ、もちろん「今日のカジノは大盛況だね。」も完全な創作です。使わないように(どこで。)。
でも何か、「ベルサイユは今日も・・・結構な人ですこと!!」みてぇ(関係ねー。)。
タイトル、まるで香港映画の様な・・・。
何かカッチョイイ英語でも・・・と思ったのですが、思いつかず、
更には「恋の勝負は命がけ」だの、「君のハートは100万ドル」だの、
「今夜は恋のギャンブラー」だの、ベタベタな内容に見合ったタイトルしか思いつかない様になり、
萎え萎えでキーボードに突っ伏す事数回、
船上恋愛遊戯とかも考えたんだけど、恋愛・・・と、またも考える自分、
船上死亡遊戯・・・死んでどうする、それこそ香港映画。
えーいめんどくせぇって事でこうなりました。
6月1日、GBソフトが発売して、
そこだけ目指して、またもかたよったプレイした日にゃあ、
下にそのエピソードの顛末語りでも書きたいと思います。
<補足>
ネタバレにつきご注意あれ。
そんな訳でやりました。
もう事件も何もかもそっちのけで、やたらとカジノ周辺をうろつくあたしコナン。
もちろん、パートナーは常に平次、何があろうと平次。
そしてカジノ前、ピーターに絡まれる和葉!! 待ってましたーーーっ!!(待つな。)
間に入る平次!! 大興奮!!
でもピーターとの言い争いは、和葉の事よりも、ギャンブルが馬鹿馬鹿しいとか、
そういう事がメインで、それにより二人はギャンブル対決する事になりました・・・ちっ。
そして対決を約束した時間、タキシードに着替えてカジノに赴く平次(大爆笑。)。
前で待つ和葉は止めるのですが、
「だいたいお前があんな奴にちょっかい出されるから・・・。」って!! ああん最高!!
でも和葉、「あたしのせいなん?」とか言って、その方が良いじゃないさ!!
そして対決、ピーターが賭けに持ち出したのは・・・和葉との一日デイト!!
うわーーーっ!! そう来たかーーーっ!!
何だよ、キッスとか言っちゃって、あたしのがベタじゃん!!
そうか・・・デイトか・・・それも良かったなぁ・・・キッスより恥ずかしくねぇし。
平次、その言葉に怒って帰ろうとするんだけど(よし。)、
逃げる云々のお約束挑発にしっかり乗ってしまうのです嗚呼。
和葉は怒るんだけど、心配すんなとか言っちゃってさ、
でもあたしの為? とか聞かれると、照れながら、ちゃうわ・・・とか・・・。
ああ、あたしすげぇ感覚がマヒしてるから、照れながらっつーだけでも驚きです。
まぁ和葉は額面通りに受け取って怒るんだけど、
最終的には「負けたらしょうちせぇへんで。」と、笑って言ってくれるあたりが信頼感。
つーか、最初から最後まで原因はあなたです。あたしの中で。
さて、対決、普通のポーカーとはちょっと違うルール・・・
それ聞いて何故かすげぇ安心した、胡散臭いポーカー勝負を書いたあたし。
んで、向こうに有利なルールを適当に聞き流したり、イカサマあり? などと聞く平次、
それに呆れるコナン・・・あらあらちょっとリンク?(図々しい。)
しかしポーカー対決、まったくもってポーカーフェイスの出来ない平次・・・。
ロイヤルストレートフラッシュなんか出た日にゃあ・・・。
まぁイカサマしてない証ではあるのですが・・・やはり平次は真っ向勝負キャラか・・・。
んで、勝負に勝った場合、和葉に負けてたらどうする? と、確認取る平次が良いね!!
デートの途中で海に突き落とすとか、とんでもない事サラリと言う和葉が良いね!!
お前やったらやりかねんとか、すげぇ嬉しそうに言って高笑いする平次が良いね!!
アハハ・・・って、らしくねーーーっ!!
でも照れる平次とかに喜びつつも、驚き戸惑ってしまう、どこかマヒしたあたしには、
こういう色気は無いけど打てば響く様なやりとりの二人はえれぇお気に入りです。
しかしその後、「二度と和葉に手ぇ出すなや。」って台詞、かなり大胆だと思うのですが、
平次は普通に言って、和葉も普通に流しておりました。そうか・・・。
でも負けたのは和葉の愛の力があったからとか、ベタな事言い出すピーターに、
照れまくって、負け惜しみ言うなとか言って、「行くぞ和葉!!」と去る平次。
君らの間の線引きは何なんだ・・・。
偉そうに・・・と怒りつつも、やはり目を光らせてないと何するかわからんって事で(本当にな。)、
和葉は笑いながらコナンを連れてカジノを去る訳です・・・ドゥフフー。
ちなみに負けるとピーター共々和葉にどつかれます(怖ぇ。)。
でも、後に海に突き落とすものの、約束通りピーターとデートする和葉を、
コナンに呆れられながらつけ回す平次っつーのも見たかったなぁ・・・(鬼か。)。
そんな訳で、やはり微妙に違う所が失笑ものなマイ創作でしたが、
ゲームは期待を裏切らない内容だったなぁ、思ったより照れたりする平次が、
あたしの創作よりも数段平和に優しくて素晴らしいと思います。
ありがとう、ありがとうバンプレスト!!