<放課後の魔術師(金田一少年じゃねえか。)>


        「あっ・・・。」
        昇降口の小さな段差でつまづきそうになる和葉を、
        寸での所でその手を捕らえた平次が支える。
        「気ぃつけえ、アホ。」
        「あ、ありがと・・・。」
        この幼なじみは運動神経は悪くないのだが、
        時として注意力に欠ける部分があり、目が離せない。
        平次は肩で息をつくと、
        「お前、無茶苦茶しょうもない理由で死にそうやな。」
        と、淡々とした口調でつぶやいた。
        「ちょっ・・・何やのその言い方!! いくら何でもひどない!?」
        「死」という単語に、一気に和葉の頭に血が上る。
        そんな不吉な決め付けがあるだろうか。

        「・・・俺がおらんと。」

        終わり


        <当時の後書き>
        ・・・誰だお前ーーーっっ!!
        「君が生まれたのは僕に出会う為」的、
        「君が死なないのは僕がいるから」発言!!
        駄目!! 駄目よ和葉、こんなマッチポンプ発言にときめいちゃ!! あんた騙されてる!!
        ・・・たまにこういう、突っ伏したくなる様な小ネタが浮かびます。


        <現在の後書き>
        この頃は和葉を運動神経抜群と思い、たまにはこんなんも可愛いかなと思っていたのですが、
        スキーはサパーリという事を知り、これ以上にときめくドジッ子なのかと悩んでいます。